きづのもり KIZUNOMORI

ストーリー

STORY 2.「ブックカバーの奇跡(軌跡)」

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4(結)【2.福岡さん】

「今まで私たちが知るふすまは何だったのだ!」。木津川市の伝統産業『織物ふすま紙』を始めて見た時、感動して思わず出た言葉だ。この美しさを多くの人に伝えたい。そのためには、織物ふすま紙を身近に感じてもらえる商品にしなければ。そこで思いついたのが気軽に手にとれる『ブックカバー』。木津川市の織物ふすま紙の表面は、その名のとおり糸で織られていることから、滑りにくくて丈夫だ。しかも色鮮やかである。そんな特徴を活かしたブックカバーはどんな世代にも喜ばれるはず。「この商品を開発したい!」みんなで想い始めた頃、丸由産業株式会社、福岡さんの存在を知った。

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約120年の歴史をもつ丸由産業株式会社。現在、日本国内での「ふすま紙」の需要は、生活様式の変化などで以前よりは減少傾向だという。「若い人にも『織物ふすま紙』の魅力を伝えたい」。そんな思いで積極的に、地元の小学生を工場見学に招いておられた。私たちの想いを伝えるにはピッタリの方だ。早速、企画書を持って訪問した。すると聞いた瞬間、福岡さんから笑顔がこぼれた。「私にできることなら何でも言ってください。」 素敵な商品を作りたい。そんな想いに溢れていても、手探り状態だった私たちにとって、これほど心強い言葉はなかった。

3(転)【2.福岡さん】

福岡さんは「ぜひ試作に!」と大量の織物ふすま紙を提供してくださった。私たちの想いを受け止めてくださる、あの笑顔に応えたい。早速試作を繰り返す私たち。 けれど、ただブックカバーを販売するだけでは面白くない。今までにないブックカバーをつくるにはどうすればいいのか?そこに大きな壁が立ちはだかった。「ブックカバーを自分で作れるようにしたらどうだろう!」誰かがボソッとつぶやいた!!その瞬間、みんなからアイデアがあふれでた。「カバンの持ち手のような物を取り付け、バッグのように持ち運べるブックカバーは?」「ブックカバーにフェルトを貼り好きなデザインが完成できたらステキ。」こうして私たちは織物ふすま紙をつかった『ブックカバーキット』を開発することに。なんとか商品として完成させたい。何度も試作を重ね、再び福岡さんのもとへ。「若者ならではの発想だ!」、太鼓判をいつもの笑顔で押してくださり、ついにキットは完成した。 木津川市内の方々を招き開いたお披露目会では、ブックカバーキットの評判も上々。商品を手に目を輝かせ楽しそうに話される人たちを見て、私たちの商品は間違いなく人気になる、そう確信した。

1(起)【2.福岡さん】

「お茶の京都博 へうげもの茶宴inみかのはら」当日。ワークショップには老若男女、年齢問わず多くの方が参加してくださり、時には整理券を出さなければいけないほどの人気ぶり。そうして誰もが次々と“世界で一つ”だけの『Myブックカバー』を完成していった。「できた!この色キレイ!」と完成したブックカバーを愛おしそうに見つめる子たち…。「織物ふすま紙」のファンになったのかな? 木津川市の伝統産業「織物ふすま紙」。それを活かした新しい「ブックカバーキット」。古くて新しい特別な商品。ぜひ一度手にとって、特別な温かみを感じてほしい。

ご紹介

店舗紹介【2.福岡さん】
丸由産業株式会社

約120年の歴史を持つ会社。生活様式の変化により
日本での「ふすま紙」の需要が以前より減少してい
る現在、「織物ふすま紙」の特徴を生かしたカバンや
ストール等の小物類の開発にも積極的に取り組んで
おられる。

〒619-0222 京都府木津川市相楽明後前3
Tel:0774-72-3144 FAX:0774-72-8758